生物学的な位置づけ |
アオバナとは
アオバナ(青花)は、ツユクサ(Commelina communis)、オオボウシバナ(Commelina communis var.hortensis)の俗名です。ツユクサ科の一年草で、日本全土・中国・朝鮮・ロシア西部に分布し、北米の一部で野生化しています。道傍や荒地のやや湿った場所に普通に見られます。
ツユクサに比べると、オオボウシバナは茎が太く、茎丈も約2倍になります。花の大きさも2~3倍の大輪で、青色の2弁の花弁は直径が約4㎝あり、円形で、下方にある白色の1弁の花弁を覆っているように見えます。早朝に花が咲き、葉に露がついているうちは綺麗ですが、太陽が高くなるとしおれてしまうのが特徴です。
アオバナの過去から現在に至るまで
アオバナは江戸時代から、その青い花の色素を利用して、青紙を作り、友禅染下絵を描く絵具として使用されてきました。平賀源内(1720~1779年)は物類品隲という本に、オオボウシバナ(アオバナ)について「近江栗本群山田村産、葉の長さ6,7寸、花弁の大きさ寸に近し。土地の人多植して利す。夏に至って花を採る。家あげて野に出て花をとり、汁をしぼり、紙を染め、これを青花紙と称し、四方に売る」と書き残しています。
滋賀県草津市では、現在でも友禅染めの下絵書きに使用する青色色素を花から取る為に栽培しています。また昭和56年(1981年)1月には、アオバナは滋賀県草津市の「市の花」に指定されました。しかし、安価な人工染料の出現で青紙の需要は激減し、一部の農家や愛好家が扱う程度にまでなりました。
最近になって、アオバナは糖尿病予防食材として期待される様になり、その有効成分DNJ・DMDPは今後さらに研究されるでしょう。